Collections
-
Black Japanese Tableware
黒は、料理の輪郭を立てる色です。白い皿が料理の色を返すのに対して、黒い皿は形を返します。同じ黒でも表情が違います。金属のように光る黒、光を吸い込むマットな黒、そして釉薬をかけずに炭のなかで焼いて出した黒。艶があるかないか、それだけで同じ料理の見え方が変わります。釉薬をかけずに高温で長く焼いたものが焼締で、窯のなかで炭に触れさせると黒くなります。面を削り出して稜線をつくる鎬は、黒だと陰影がいちばんはっきり出ます。使ううちに艶や色が育っていくことを経年美化といいます。
-
Blue Japanese Tableware
青は、日本の器でいちばん長く使われてきた色です。白い地に藍を置くだけで、食卓が締まります。青のつくり方はふたつあります。筆で描く青と、釉薬そのものが青くなる青。前者は絵として輪郭を持ち、後者は面としてひろがります。沖縄の器には、そのどちらとも違う、厚い土の上にのせた濃い青があります。呉須という顔料で下絵を描き、透明な釉をかけて焼いたものが染付です。顔料そのものを呉須、釉の下に描く工程を下絵付といいます。釉に含まれる鉄が還元焼成で青緑に発色したものが青磁です。
-
Bowls
日本の食卓では、碗を手に持ちます。手のなかで完成することを前提にしているので、形も重さも、指の当たる場所まで考えられています。指が自然に収まるよう鎬を削ったもの。一息で引いた呉須の線が入ったもの。赤土に白い化粧土をかけ、低い温度で二度焼いて肌をやわらかくしたもの。ごはん、汁物、夜遅くの一杯の麺。毎日の食事に寄り添う器です。一人分のご飯茶碗は口径11〜12cm、汁椀はもう少し深く、丼は15cm以上が目安です。サイズを見比べたい方は和の椀・鉢の種類をどうぞ。裏返すと指にあたる輪が高台です。削り出しなので指がしっかりかかり、熱が手のひらに伝わりにくい。土が見える場所なので、目利きが最初に見るのもここです。
-
Brown Japanese Tableware
茶色は、土そのものの色です。ほかの色が釉薬でつくられるのに対して、茶色の多くは何もかけないことで出ます。ここには陶器と木工が混ざっています。土を一本ずつ刻んで年輪のような質感を立ち上げた器もあれば、実際に木を挽いた器もあります。写真で並べると、どちらがどちらか分からなくなることがあります。釉薬をかけずに高温で焼き締めた器が焼締です。薪の灰が器に降りかかって溶けたものを自然釉、灰を釉薬として意図的にかけたものを灰釉といいます。藁を巻いて緋色の線を出す緋襷、海藻を巻く藻掛もこの色の仲間です。
-
Chopsticks & rest
箸置きは、食卓のうえでいちばん小さい器です。二本の箸を置くための、小さな居場所をつくります。小さいぶん、手しごとの器をいちばん気軽に暮らしに入れられます。贈りものにできる大きさで、試しやすい値段で、そして客がいちばん最初に手に取ってひっくり返すものでもあります。黒く削った鎬か、小さな動物たちか。日本の器を初めて選ぶなら、ここから始めるのがおすすめです。手しごとの器が自分に合うかを確かめるのに、いちばん向いています。小さくて軽く、輸送でも安心なので、遠くへ送るのにも適しています。食卓をこれから揃えるなら最初に揃える5点に順番を書きました。贈り物として選ぶなら贈り物に選ぶ和食器をどうぞ。
-
Flower vase
一枝を、中心から少しずらして挿す。日本の花は、たいていそれで完成します。だから花器そのものが美しいかどうかで選びます。何も挿していないときに絵になるものを集めました。窯の跡を残した焼締の肌、鎬の稜線、染付の藍、銅釉のふかい色。棚の隅に置くだけで、その一角の空気が変わります。一輪挿しは高さ10〜15cmが目安です。20cmを超えると枝ものが挿せます。ほとんどが水を張れますが、落としを使う前提のものもあります。焼締は釉をかけずに1,300度前後で焼き締めるので、土そのものが水を通しません。粗いのは手ざわりだけです。いけ方から知りたい方は花器の選び方をどうぞ。
-
For Gift
贈った器は、その人の毎日に入っていきます。マグなら年に四百回ほど手に取られて、そのたびに贈った人のことを思い出してもらえます。ここに集めたのは、そうやって長く使われる器です。その人の手にちょうど合うマグ。ふたつ揃いの酒器。ちょっとしたものをのせる小皿。すべて手しごとで、作り手の名前がついています。どこで買ったのと訊かれたとき、その名前がそのまま話のきっかけになります。好みが分からない相手に選ぶときは、様式ではなく用途から考えるとうまくいきます。朝に温かいものを飲む方が多いので、マグはいちばん喜ばれます。小皿も必ず出番があります。日本では、ペアより一点のほうが心づかいの伝わる贈り物とされてきました。贈り物に選ぶ和食器に、受け取った方が何年かけて気づく変化を書いています。包装と配送はギフトのページをご覧ください。
-
Glass ware
陶器の並ぶ食卓にガラスを一つ置くと、そこだけ窓が開いたように見えます。光が抜けていく、唯一の素材だからです。切子の面はひとつずつ手で研がれるので、光の拾い方が二つとして同じになりません。フリーカップ、ワイングラス、デザートグラス。麦茶も、冷やした一杯も、それだけで少し特別になります。フリーカップは200〜300ml、ワイングラスやデザートグラスは少し小ぶりです。切子は色被せという技法で、透明なガラスに色ガラスを薄く重ね、輪で一面ずつ研ぎ戻します。層が薄くなったところで色が変わるのは、そのためです。日本の夏の食卓は、素材が変わるだけで季節が動きます。陶器と混ぜてまとめるコツは和食器の基本に。手で洗い、立てて乾かしてください。
-
Gray Japanese Tableware
灰色は、いちばん主張しない色です。料理にも、テーブルクロスにも、部屋の色にも干渉しません。数は多くありません。ざらりとした風化したような釉、板状の土を起こして作った角のある形、釉を薄くかけて下の土を透かせたもの。どれも手に取ると、見た目より軽いか重いかのどちらかで、その差が持ったときの印象になります。粘土を板状にのばして組み立てる成形をたたら作りといい、轆轤では出せない角のある形がつくれます。手でひねって形をつくるのが手びねり、回しながら挽くのが轆轤です。
-
Green Japanese Tableware
緑は、日本の器では青と地続きの色です。青磁と呼ばれるものの多くは、実際には緑に寄っています。緑の出しかたは三通りあります。釉に含まれる鉄が還元焼成で淡い緑になるもの。銅が発色して濃い緑になるもの。そして、焼いたあとに筆で描く緑。沖縄の器には、ゴーヤーやシークワーサーを描いた明るい緑があります。鉄が青緑に発色した釉が青磁、草木の灰からつくる釉が灰釉です。銅で緑を出す代表が織部。焼成したあとに色を重ねる工程を上絵付といいます。
-
Incense & Accessories
香は、火をつけてから消えるまでを眺めていられる、めずらしいものです。この香立ては、楢や桜から削り出したあと、木目が深く沈むまで鉄で染めてあります。棚ではなく、部屋の隅がひとつあれば十分です。一日の終わりに火をつけると、煙が目で追うものをくれて、そのあいだ静かな時間が生まれます。木は楢と桜。轆轤で挽いたあと、鉄で染めています。木のタンニンと反応させて内側から色を沈める方法なので、表面に塗料が乗っていません。だから色は長く保ちます。同じ考え方を漆に当てはめたものが漆器とはにあります。静かな一角を整えたい方には侘び寂びのある部屋が参考になります。
-
New Arrivals
日本各地の工房から、新しい器が毎週のように届きます。マグ、鉢、皿、ぐい呑み。名前のわかる作り手が、ひとつずつ手でつくったものだけを並べています。 多くは一点ものです。同じ釉薬をかけ、同じ窯で焼いても、同じ表情は二度と生まれません。いま並んでいるものが、いま在るすべてです。 京都から、世界へ直接お届けします。
-
Plates
食卓で、いちばん長く目に入っているのが皿です。料理をのせているあいだも、食べ終えたあとも、そこにあります。ここに並ぶのは、一枚ずつ轆轤で挽いた皿です。土がやわらかいうちに削り出した鎬の稜線。花びらのように開いた輪花の縁。赤土にうすくかけた粉引の白。窯のなかで灰が降りたところ。表情はどれも少しずつ違うので、二枚並べると景色になります。サイズは寸で数えます。6寸で約18cm、主菜がちょうどのる大きさです。7寸で約21cm、9寸で約27cmなら取り分けにも使えます。寸とcmの換算表にすべてまとめました。稜線は鎬という技法で、半乾きの土に一本ずつ刃を入れて削り出します。磁器はふだんの食器と同じように洗えます。粉引や焼締の皿は、手で洗って乾かしてから仕舞うと長く使えます。
-
RiRiN
土の持つおおらかさや表情を大切に、手びねりやたたらで制作しています。黒土をベースに荒目や細目など異なる土を使い分け、土本来の質感やテクスチャーを引き出しています。釉薬は使わず、化粧がけや銀彩によって素材のコントラストを生み出し、割る・千切る・切り出す等の工程を経て、断面の表情や厚み・エッジ・手触りまで丁寧に仕上げています。歪みや手跡、ヒビやちぎれなど一見すると不完全に見えるものも、その作品だけが持つ個性として可能な限り受け入れています。同じ形を目指すのではなく、それぞれが持つ個性が美しく調和することを大切にしながら制作しています。日々の暮らしの中で何気なく手に取ったとき、土の温もりや豊かな表情を感じてもらえたら嬉しいです。そして作品を通して“こうでなければならない”という思い込みが少しほどけ自分や誰かの不完全さにも優しいまなざしを向けられる、そんなきっかけになれば幸いです。それぞれ異なる表情を持つ作品が暮らしにそっと寄り添い、使うほどに愛着の深まる存在になれば嬉しく思います。
-
Sake ware
一日の終わりに、自分のためだけの一時間があります。洗い物が済んで、静かになってから、少しだけ注ぐ時間です。ここにある器は、その一時間のためのものです。藁を巻いて焼き、作り手にも読みきれない赤が走る備前のひだすき。作った指の形がそのまま残る手びねりの灰釉。手のひらに収まる小ささなので、一杯を選ぶこと自体が楽しみになります。ウイスキーを注いでも、同じように似合います。お猪口はおよそ30〜60ml、ぐい呑みは60〜100ml、盃は儀礼に使う平たい器です。それぞれの違いをまとめました。備前の器に走る赤は緋襷。窯のなかで稲藁が触れたところに残る跡で、同じ走り方をするものは二つとありません。釉のない器は使うほど色が深くなるので、いちばん手に取る一客が、一年後にはいちばん良い顔になります。