流し掛け(ながしがけ)
釉薬を上から流しかけて、あとは流れるにまかせます。どこで止まるかは、釉の濃さと素地の乾き具合、それに窯の温度で決まります。
焦げ茶の鬼板釉の上にベージュのうのふ釉を重ね、境目が厚い舌のように垂れたもの。黒い胴を白い釉が縁から流れ落ちて、途中で止まったもの。同じ手順で掛けても、二つとして同じ線になりません。
窯のなかで灰が降って溶けた自然釉とは、できかたが違います。あちらは窯がつくり、こちらは人が掛けます。ただし掛けたあとは人の手を離れるので、作り手が決められるのは、どの釉をどこからどれくらい掛けるかまでです。狙いどおりに出た器と、思いがけない景色が出た器が、同じ棚に並びます。






