轆轤成形とは|一つの器ができるまで

回転する電動轆轤の上で、両手を添えて碗を挽く作り手の手元。土に濡れた指が口縁を挙み、内側に轆轤目が残っている

轆轤成形(ろくろせいけい)とは、回転する円盤の上で遠心力を使い、粘土を引き上げながら器の形を作る技法です。

日本の陶芸でもっとも広く使われている方法であり、器づくりの象徴的な光景でもあります。薄く、軽く、均整のとれた形をつくれる一方で、円形からは逃れられないという制約もあります。

轆轤を使わず手だけで成形する手びねり、板状の土を組むたたら作りと並ぶ、基本の成形技法のひとつです。

轆轤の三つの種類

  • 手轆轤(てろくろ) 手で円盤を回し、その慣性があるうちに形を整えるシンプルな道具。手びねりと併用されます。
  • 蹴轆轤(けろくろ) 下部の大きな弾み車をつま先で蹴って回すもの。備前や唐津など伝統的な薪窯の産地で今も大切にされています。回転速度が一定ではなく、そのゆらぎが器に現れます。
  • 電動轆轤 モーターで一定の速度を保つもの。現代の陶芸でもっとも一般的です。

轆轤目という手の記録

轆轤で挽いた器の内側には、同心円の筋が残ります。これを轆轤目(ろくろめ)と呼びます。

指を沿わせると、作り手が土を引き上げていったその速度と圧力が、そのまま指先に伝わってきます。速く引けば間隔は広く、ゆっくり引けば細かく。押しの強い作家の轆轤目は深く、繊細な作家の轆轤目は浅い。

買った器の内側をなでてみてください。螺旋の跡があれば、それは轆轤で挽かれた証拠です。高台を削り出したあとの削り跡と合わせて見ると、その器がどう作られたかがかなり読めます。

轆轤が変えたもの

項目 轆轤以前(手びねり・紐作り) 轆轤成形
速さ 一点に時間がかかる 同じ形を何百個も素早く作れる
厚み 場所によって差が出る 極限まで薄く均一にできる
形 楕円・角・非対称も自由 円形に限られる
表情 指の跡が残る 同心円の轆轤目が残る

轆轤の登場によって、日本各地に窯業という産業が花開きました。有田焼の洗練された磁器や、茶道で珍重される端正な茶碗も、この道具なしには生まれていません。

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轆轤目を指でたどる

内側に残る同心円は、作り手が土を引き上げた速度そのものです。Nokazeでは作り手の背景とともに器をご紹介しています。

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FAQ

陶芸で使われる轆轤とはどのような道具ですか?
粘土を載せた円盤を回転させ、その遠心力を利用して素早く均一な丸い器を成形する道具です。主に手轆轤・蹴轆轤・電動轆轤の3種類があり、時代や産地、作家のスタイルによって使い分けられています。手轆轤は手で回すシンプルなもの、蹴轆轤は足で蹴って回す古来のもの、電動轆轤はモーターで一定速度を保つ現代の主流です。
轆轤が日本の陶芸文化に与えた最大の影響は何ですか?
器の大量生産(産業化)と、極限の薄さと均一な美しさを可能にした点です。轆轤が伝わる以前は手で粘土を積み上げる方法が主流で、制作に長い時間がかかっていました。回転の力を利用する轆轤の登場によって、職人は同じ形の器を素早く均一に何百個も作れるようになり、日本各地に窯業が花開く礎となりました。
轆轤で挽いた器かどうか、どうやって見分けますか?
内側に同心円の筋(轆轤目)があるかどうかを見てください。指を沿わせて螺旋を感じれば轆轤成形です。厚みが場所によって違い、口縁が波打っていれば手びねり。継ぎ目が縦に走り、極めて均一で軽ければ鋳込み成形です。

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