豆皿・小皿の選び方|サイズと、何を盛るか

日本の食卓は、大きな皿を一枚置いて組み立てるものではありません。小さな皿を何枚か並べて、全体で整えていくことで、組み立てます。コースターほどの皿に漬物、それより小さな皿に塩、何も載せない受け皿に菓子ひとつ。小さな皿が分かると、和食器の残りの部分も見えてきます。
そして小さな皿は、手仕事の器に入るいちばん安い入口でもあります。作家が轆轤で挽いた小皿は1,300円あたりから。大皿一枚の値段で、四人の作家の皿を四枚持てます。
サイズと、何を盛るか
和食器は寸(すん)で測ります。1寸は3.03cmなので、4寸の皿は直径12cmほど。小さな皿はそれより下の寸法で、形ではなく大きさで名前が変わります。
| 名前 | 直径 | 盛るもの |
|---|---|---|
| 箸置き(はしおき) | 5.5〜7cm | 箸、ナイフとフォーク。先を布に触れさせない |
| 豆々皿(まめまめざら) | 6〜7cmほど | 粗塩、わさび少量、ケイパー三粒。ほとんど所作 |
| 豆皿(まめざら) | 9cmほど・3寸 | 漬物、つけ醤油、菓子ひとつ、オリーブ |
| 小皿(こざら) | 9〜12cm・3〜4寸 | 副菜、切った果物、一人分のチーズ、ケーキ一切れ |
12cmを超えると普段の皿の領域で、選び方の筋が変わります。どの大きさがどの料理に合うかは和皿の選び方に、寸とcmの対応は換算表にまとめました。
作家が、いちばん小さな皿に本気を出す理由
ここが意外に思われるところです。作家の品揃えでいちばん安い皿が、いちばん冒険的なことが多い。最も個性が出て、購入する側としても集めたくなるのが豆皿・小皿です。
予想どおりに流れない釉薬は、大皿では失敗になり、豆皿では見どころになります。わざと芯をずらして挽いた形は、24cmでは失敗に見えて、9cmでは意図に見える。焼成も同じで、大物を置くには惜しい窯の場所に小物なら入れられます。
だからこそ、小さな皿には、輪花の縁、削り出した面、小さいから一息で描き切れる手描きの染付が集まります。
- 輪花・稜花(りんか・りょうか) 花びら状に切り込んだ縁。焼く前に刻むので、切れ込みに釉が溜まって濃くなります。
- 鎬(しのぎ) 側面を刃で削った面。鎬は手仕事で模様を入れた器になります。大きい器では鎬の数を数得たくても数えられないが、12cmの4寸皿なら数えることができ、そのような楽しみもあります。
- 染付(そめつけ) 呉須で釉の下に描く藍。小さな花文を手で描くので、一枚ずつ違います。大皿では絵付けの作品を選ぶことが難しくても、豆皿や小皿では遊ぶことができ、選ぶ楽しみが増えます。
豆皿、小皿で何枚あれば卓が決まるか
多くの方が一枚買って、それから気づきます。小さな皿は、たくさんあることで楽しみが増え、食卓が豊かになるということを。豆皿が一枚だけ卓にあると、何か余ったように見えます。三枚、釉の違うものに、違うものを三種盛れば、食卓が非常に豊かになります。
価格帯もリーズナブルで購入しやすいので、その点でも豆皿、小皿で遊ぶ楽しみを覚えると、より一層器選びが楽しくなります。
| 組み合わせ | 目安 | まかなえるもの |
|---|---|---|
| 箸置き二つ | 1,760円 | 二人分の食卓が、すぐに寂しくなくなる |
| 豆皿三枚、取り混ぜて | 4,000〜7,000円 | 漬物・塩・つけ醤油を、それぞれの皿に |
| 小皿四枚、一人一枚 | 7,000〜13,000円 | 副菜、または四人分のデザート |
そして、ポイントは揃いで買うより、違う作家から選んでみることです。日本の食卓は、セットで組むものではありません。美濃の磁器の箸置きに、信楽の鎬の皿、京都の絵付けの皿と、さまざまな作風を混ぜるのが醍醐味です。そしてそのような選び方をした場合、一枚割れても、何も台無しにならないという利点もあります。
旅先で買うなら、豆皿・小皿
旅先で器を買うかどうかは、たいてい荷物で決まります。欲しいと思っても、持ち帰れないと分かっていれば手が止まる。その点で豆皿と小皿は、いちばん持ち帰りやすい器です。
3寸・9cmの豆皿は手のひらにのる大きさで、重ねても厚みがほとんど出ません。スーツケースの隙間や、衣類のあいだに収まります。大皿を一枚抱えて帰るより、豆皿を四枚のほうが軽い。しかも四人の作り手の仕事が手元に残ります。
値段の面でも選びやすい大きさです。1,300円あたりからで、多くは2,500円以下。旅の記念に一枚、という買い方ができる価格帯なので、店先で迷う時間も短くて済みます。備前焼まつりや小鹿田焼民陶祭のような陶器市なら、作り手と話しながらその土地の一枚を選べます。
持ち帰るときは、一枚ずつ紙か布で包み、重ねるあいだにも一枚はさみます。預け入れより、手荷物に入れておくほうが揺れが少なくて安心です。
荷物を増やしたくないときは、のかぜで選んで自宅に送るという手もあります。旅のあいだは身軽なまま、帰るころに届きます。
日本の器選びの最大の楽しみ方は豆皿・小皿です。ぜひ小皿・豆皿の選び方を学びながら、大皿にもチャレンジし、あなたの食卓を豊かにしていってください。
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