イッチン技法
竹や金属製の先が細い筒状の道具から泥漿や釉薬を絞り出して、器の表面に立体的な線や点を描く技法。九谷焼の「盛り絵」などに使われる。

イッチン技法に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 陶芸の「イッチン技法」とはどのような技法ですか?どのような道具を使うのでしょうか?
イッチン技法とは、スポイトや専用の器具(筒)にドロドロに溶かした粘土(泥漿・でいしょう)や釉薬を入れ、器の表面にケーキのホイップクリームを絞り出すようにして立体的な絵柄や線を描く装飾技法です。
西洋では「スリップウェア(Slipware)」とも呼ばれ、古くから世界各地で親しまれてきました。かつては、伝統的な絵の具の「一珍(いっちん)」を入れる道具(竹筒に鳥の羽軸をつけたものなど)が使われていたことからこの名がついていますが、現代ではゴム製のスポイトやプラスチック製のチューブなど、扱いやすい道具が広く使われています。
Q2. イッチン技法で作られた器には、どのような魅力や特徴がありますか?
最大の魅力は、「手で触れても楽しめる、ぷっくりとした立体感と柔らかな筆致」です。筆で描く絵付けとは異なり、線そのものが泥の厚みによって立体的に盛り上がるため、器に独特の陰影と豊かな表情が生まれます。また、泥が乾ききる前の絶妙なタイミングで、鳥の羽やクシを使って線を引っ掻くことで、マーブル模様(矢羽根模様)のような美しい流線型の幾何学模様を作り出すこともできます。手仕事ならではの温かみと、どこかモダンで異国情緒あふれるデザインが、現代の食卓でも非常に人気を集めています。