面取りとは|丸い器に平面を削り出す技法

暗い背景に並ぶ面取りのぐい呑み4客。飴釉や緑釉が縦に削がれた平面ごとに厚みを変え、稜線に沿って濃く溜まっている

面取り(めんとり)とは、成形した器の表面を削り取り、平らな面をつくり出す技法です。轆轤で挽いたままの器は断面が円ですが、そこに刃物を入れて削ぐことで、多角形の断面へと変えていきます。

削るタイミングは、器が半乾きの状態のとき。土がまだやわらかすぎると刃が沈み、乾きすぎると欠けてしまう。この短い頃合いを見計らって、カンナや弓、時にはナイフを使い、上から下へ一気に削ぎ落とします。

面取りの本質は、足す装飾ではなく、引く装飾であることです。絵付けのように何かを加えるのではなく、削って初めて現れる。だからこそ一度削った面は戻せません。やり直しがきかない一発の判断が、そのまま器の表情になります。

面取りと鎬(しのぎ)の違い

どちらも削る装飾ですが、生まれる形が違います。

項目 面取り しのぎ
削り方 幅の広い平面を削ぎ落とす 細い溝を連続して彫る
できる形 多角形の断面になる 円のまま、表面に稜線が並ぶ
見え方 面ごとに光の当たり方が変わる 溝に釉が溜まり、濃淡の縞になる
手ざわり 平面と角がはっきり当たる 連続した凹凸がリズムをつくる

面取りもしのぎも、削って模様をつくる器です。両方まとめて見るなら → 鎬(しのぎ)

灰色の卓に置かれた白釉の鉢と皿を真上から見た写真。縁に沿って細かなしのぎの溝が放射状に彫られ、溝に釉が濃く溜まっている

面取りが器に与えるもの

  • 光の変化 面ごとに角度が違うため、同じ釉薬でも明るく見える面と暗く見える面が生まれます。器を回すだけで表情が変わります。
  • 釉薬の濃淡 削った角の部分は釉が薄く流れ、面の中央や境目には溜まります。単色の釉でも階調が出ます。
  • 持ちやすさ 平面と角が指に当たるため、丸い器より滑りにくい。ぐい呑みや湯呑みで好まれる理由です。
  • 料理の見え方 直線的な輪郭が、盛った料理の構図を引き締めます。

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削って現れた面を見る

面ごとに変わる釉の濃さと、指に当たる角。面取りの器は、回して見るほど表情が増えます。

削りのうつわを見る

FAQ

面取りとはどのような技法ですか?
成形した器の表面を削り取り、平らな面をつくり出す技法です。轆轤で挽いたままの器は断面が円ですが、半乾きの状態で刃物を入れて削ぐことで、多角形の断面へと変えていきます。絵付けのように何かを加えるのではなく、削って初めて現れる「引く装飾」であることが本質です。
面取りとしのぎはどう違うのですか?
どちらも削る装飾ですが、生まれる形が違います。面取りは幅の広い平面を削ぎ落として多角形の断面をつくり、しのぎは細い溝を連続して彫って稜線を並べます。面取りは面ごとに光の当たり方が変わり、しのぎは溝に釉が溜まって濃淡の縞になります。
面取りの器は欠けやすいですか?
角があるぶん、丸い器よりは注意が必要です。とくに口縁の角は、他の器とぶつけると欠けやすい部分です。重ねて収納するときは間に布を挟み、洗うときは他の食器と一緒にぶつけないようにしてください。

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