香は、火をつけてから消えるまでを眺めていられる、めずらしいものです。
この香立ては、楢や桜から削り出したあと、木目が深く沈むまで鉄で染めてあります。棚ではなく、部屋の隅がひとつあれば十分です。一日の終わりに火をつけると、煙が目で追うものをくれて、そのあいだ静かな時間が生まれます。
木は楢と桜。轆轤で挽いたあと、鉄で染めています。木のタンニンと反応させて内側から色を沈める方法なので、表面に塗料が乗っていません。だから色は長く保ちます。同じ考え方を漆に当てはめたものが漆器とはにあります。静かな一角を整えたい方には侘び寂びのある部屋が参考になります。