一期一会(いちごいちえ)
「この出会いは二度とない」という禅の教えに由来する概念。手仕事で作られた一点もの陶磁器との出会いに、この思想が重なることで器への愛着は深まる。

一期一会と陶磁器に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 茶道の言葉である「一期一会」は、陶磁器の世界(作陶や器選び)においてどのように解釈されていますか?
一期一会は「一生に一度きりの出会いを大切にする」という精神ですが、陶磁器においては「窯の中での偶然の奇跡」と「器と使い手との運命的な出会い」の2つの意味で捉えられています。
焼き物は、同じ土、同じ釉薬を使い、同じ窯で焼いても、炎の回り方や気候のわずかな違いで、一つとして同じ焼き上がりにはなりません。この窯の中で起きる二度と再現できない変化(窯変など)を、職人も使い手も「一期一会の美」として尊びます。工業製品のような完璧な均一性ではなく、その瞬間だけに生まれた個性を愛する文化が根底にあります。
Q2. 「一期一会」の精神を特に強く感じられる陶磁器のジャンルや、器の楽しみ方はありますか?
炎と土の自然の変化にすべてを委ねる「備前焼や信楽焼などの焼き締め(無釉の器)」や、使い込むことで表情が変化していく「萩焼の七化け」、そして壊れた器を漆と金で美しく蘇らせる「金継ぎ(きんつぎ)」などに強く現れています。
たとえば萩焼のように、手に入れた時が完成ではなく、日々の使用を経て持ち主のライフスタイルに合わせ変化していくプロセスそのものが、まさに器との「一期一会」の連続です。また、傷をあえて隠さず芸術として昇華させる金継ぎも、「その器がたどった唯一無二の時間」を愛おしむ一期一会の心の表れです。