
益子
益子は、厚みのある土と民藝の系譜で知られる産地です。いまはそこに、他の土地の技法を持ち込んだ作り手も加わっています。
ここに並ぶのは、益子に工房を構える作り手が、備前の技法で焼いた器です。備前の窯元で六年修行したあと、益子へ移って窯を築きました。釉をかけず、藁を巻いて焼き締める。だから景色は備前のもので、形は現代のシャープなものです。産地の様式をなぞるのではなく、身につけた技法を持って移り住んだ結果として生まれた器です。
藁を巻いたところに残る赤い線が緋襷で、藁の塩分と土の鉄分が反応して出ます。釉をかけていないので、使うほど手の脂と水分が入り、色が深くなっていきます。益子という産地そのものの成り立ちは益子焼とはにまとめました。厚手の民藝の器とは別の入口として見てください。
