信楽
信楽の土は粗く、小石や長石が混じっています。焼けたときにそれが表面へ白く浮き出るところまで含めて、信楽の景色です。
ここに並ぶのは、信楽で作陶する六組の手しごとです。半乾きの土に一本ずつ刃を入れて削り出した稜線。赤土に白泥をかけ、低温で二度焼いてやわらかい白に仕上げた器。光を受けて深いところから明るいところへ移っていく青。轆轤の跡をあえて残した大らかな鉢。そして、火から下ろしてそのまま食卓に出せる五合炊きの土鍋。同じ産地の同じ土から、これだけ違う顔が生まれます。
信楽は日本六古窯のひとつで、八百年ほど焼き続けてきました。粗い土は高温で締まると水を通さなくなるので、釉をかけない焼締の器もそのまま使えます。稜線を削り出す技法が鎬で、刃を入れる角度と速さがそのまま指に残ります。白い器の多くは粉引で、使ううちに茶や油がゆっくり入り、色が落ち着いていきます。産地の成り立ちから読むなら信楽焼とはをどうぞ。




