織部とは|わざと歪ませた、緑釉の破格の美

織部(おりべ)とは、桃山時代(16世紀末〜17世紀初頭)に美濃地方で生まれた焼き物の様式です。鮮やかな銅緑釉、大胆で幾何学的な鉄絵、そしてあえて歪ませた自由な形が最大の特徴です。
名前の由来は、千利休の弟子であり大名茶人として知られた古田織部(ふるた おりべ)です。彼の斬新な美意識が色濃く反映されていることから、後世そう呼ばれるようになりました。
それまでの素朴な侘び寂びとは一線を画す、当時としては前衛的な器です。左右非対称、意図的な破調、器の縁で断ち切られる文様。現代のモダンアートと並べても違和感がありません。
緑はどこから来るのか
織部の緑は、銅を含む釉薬を酸化焼成することで生まれます。同じ銅でも、還元焼成では赤(辰砂)に転ぶ。焼き方ひとつで正反対の色になる、扱いの難しい金属です。
そして織部の緑は、器全体にかけられません。一部だけを緑に掛け、残った白い地に鉄絵で文様を描く。この「掛け分け」の大胆な構成こそが織部の本質です。器を上下や左右に分割し、まったく違う表情を同居させる。それが古田織部の好んだ美意識でした。
緑釉が垂れて溜まった部分は、深く濃く沈みます。この釉だまりの深さも、織部の見どころのひとつです。
織部の種類
- 青織部(あおおりべ) 鮮やかな緑釉と、白地に黒い鉄絵で描かれた幾何・草花文様のコントラスト。もっともポピュラーなスタイルです。
- 総織部(そうおりべ) 器全体を緑釉だけで覆い尽くした、潔いスタイル。
- 黒織部(くろおりべ) 鉄釉による漆黒の器体に、一部だけ窓のように白地を残して鉄絵を描く。茶碗に多く見られる格調高いスタイルです。
- 志野織部・赤織部 白土や赤土の性質を活かし、志野など異なる釉薬との組み合わせでモダンな対比をつくるスタイルです。
織部の器を使う
緑釉のかかった部分は、ガラス質でしっかり覆われているため丈夫です。一方、鉄絵の白地の部分は釉が薄く、吸水することがあります。使い始めに目止めをしておくと安心です。
盛りつけは、緑が強いぶん料理の色数を絞ると決まります。白い料理、菓子、酒肴。釉薬でも触れているとおり、器が主張するときは料理を静かに、が基本です。
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釉だまりの深い緑と、鉄絵の走る白地。織部は一点ずつ分割の仕方が違います。Nokazeでは美濃をはじめ各地の器をご紹介しています。
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織部とはどのような焼き物ですか?名前の由来は何ですか?
織部には緑色以外のものもあるのですか?
織部の歪みは失敗ではないのですか?
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