黄瀬戸とは|あぶらげ肌に緑が滲む黄の釉

黄瀬戸(きせと)とは、16世紀の桃山時代に美濃地方で生まれた焼き物です。木灰と微量の鉄分を含んだ釉薬をかけ、酸化焼成することで、温かみのある琥珀色や淡い黄色を発色させます。
名前に「瀬戸」と入っていますが、実際に焼かれたのは美濃です。志野・織部・瀬戸黒と並ぶ、美濃の四大様式のひとつです。
同じ鉄が、還元焼成では青磁の青緑に転びます。黄瀬戸の黄色は、窯に酸素を十分に送る酸化焼成によってのみ生まれる色です。
あぶらげ手という最上
黄瀬戸の肌には段階があります。もっとも高く評価されるのが「油揚手(あぶらげで)」と呼ばれる、しっとりと沈んだマットな質感です。
釉が薄くかかり、表面がわずかにざらつき、光を反射しない。名の通り、油揚げの表面を思わせる肌合いです。逆に釉が厚く溶けてつやが出たものは「ぐい呑手」などと呼ばれ、格は一段下がるとされます。
また、釉が器の凹凸に溜まることで、一枚の器のなかに自然な黄色のグラデーションが生まれます。轆轤目やしのぎの削り跡に釉が溜まり、そこだけ濃く沈む。この濃淡が黄瀬戸の景色です。
鉄絵と胆礬
| 要素 | 何でできているか | 見え方 |
|---|---|---|
| 黄色の地肌 | 木灰と微量の鉄。酸化焼成 | 淡い黄から琥珀色。凹凸で濃淡が出る |
| 褐色の線(鉄絵) | 鉄分の多い絵の具 | 大根・アヤメ・虫などを軽やかな筆致で |
| 緑の斑(胆礬) | 銅の顔料をちょんと置く | 焼成時に鮮やかな緑が滲み出る |
この「黄色い地肌」「褐色の線」「瑞々しい緑の焦げ」という三つのコントラストが、黄瀬戸の最大の見どころとされています。
黄瀬戸の器を使う
油揚手の黄瀬戸は釉が薄く、吸水性が残ります。使い始めに目止めを行い、使用後は早めに洗って完全に乾かしてください。
盛りつけでは、主張が穏やかなぶん少量を上品に見せます。和え物、香の物、少量の酒肴。釉薬でも触れているとおり、静かな器は控えめな料理と相性がよい器です。
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轆轤目に溜まった釉の濃さと、胆礬の緑。黄瀬戸は静かな器ほど見どころが多くあります。Nokazeでは美濃をはじめ各地の器をご紹介しています。
美濃の器を見るFAQ
黄瀬戸とはどのような焼き物ですか?なぜ黄色くなるのですか?
緑色や茶色の模様にはどのような意味がありますか?
つやのある黄瀬戸とマットな黄瀬戸、どちらが良いのですか?
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