青磁とは|鉄と炎が生む、青緑の釉

濃い青の青磁の器を寄せた接写。全面に細かな貫入が網目状に走り、見込みの中央だけ釉が薄く水色に抜けている

青磁(せいじ)とは、鉄分を含んだ釉薬を素地にかけ、窯の酸素を絞る「還元焼成」で高温焼成することで、青緑から翡翠色に発色させた陶磁器です。

焼く前の青磁釉は、ただの灰色や茶色にしか見えません。窯のなかで釉薬に含まれる微量の鉄から酸素が奪われることで、はじめて神秘的な青へと変化します。同じ鉄が、酸化焼成では黄や褐色に転ぶ。釉薬のなかでも、焼き方の違いが最も劇的に出る釉です。

中国の宋代に「玉(ぎょく)」の色を理想として最高峰に達し、日本では有田焼、京焼・清水焼、鍋島焼などで格調高い青磁が今も作られています。

なぜ還元でしか青くならないのか

青磁釉に含まれる鉄は、酸素があると三価鉄となり、黄褐色に発色します。窯に送る酸素を絞ると、炎は足りない酸素を釉や土から奪おうとする。このとき鉄は二価鉄に変わり、青緑に発色します。

つまり青磁の色は、釉薬の調合だけでは決まりません。窯のなかの空気を何時間もかけて制御する、その一点にかかっています。作家が窯の前を離れられないのは、このためです。

同じ青磁でも表情が違う理由

要素 条件 見え方
素地の色 白い磁土 湖面のような透明感のある淡い青
素地の色 鉄分の多い黒っぽい陶土 深くとろりとした翡翠色
釉の厚み 薄がけ 下地が透け、青が澄む
釉の厚み 厚がけ・重ねがけ 釉だまりが濃く沈み、奥行きが出る
貫入 細かく入る 使ううちに線が濃くなり、器が育つ

冷却時に素地と釉の収縮率の差で入るひび割れが貫入です。あえて墨を染み込ませ、蜘蛛の巣状の幾何学模様として楽しむスタイルもあります。

青磁の器を使う

磁器の青磁であれば、吸水はほとんどありません。日常づかいに向いており、食洗機に対応するものも多くあります。

一方、陶土に厚く青磁釉をかけた器は、貫入から茶やコーヒーが染み込みます。これは劣化ではなく、使い込むほど貫入の線が濃く浮かび上がる経年美化です。染みが気になる場合は、使い始めに目止めを行ってください。

関連記事・用語

関連する用語

くわしく知る

青の深さを見る

釉だまりの濃さと、貫入の細かさ。青磁は写真で見ても一点ずつ違います。Nokazeでは作り手の背景とともに器をご紹介しています。

新入荷の器を見る

FAQ

青磁とはどのような技法ですか?なぜ美しい青緑色になるのですか?
鉄分を含んだ釉薬を素地にかけ、窯の中の酸素を制限して焼く「還元焼成」で高温焼き上げることにより、独特の青緑色や翡翠色を発色させる技法です。焼き上げる前の釉薬はただの灰色や茶色に見えますが、窯の中で釉薬に含まれる微量の鉄分から酸素が奪われることで、神秘的な青や緑へと劇的に変化します。中国の宋代に玉の色を理想として最高峰に達しました。
同じ青磁でも、透き通った青からヒビが入ったものまであるのはなぜですか?
土の色、釉薬の厚み、そして貫入と呼ばれるヒビ模様の違いによって、表情が劇的に変わるためです。白い磁器の土に薄く釉薬をかけると澄んだ透明感のある青に、鉄分の多い黒っぽい陶土に厚く塗り重ねると深い翡翠色になります。冷却時の収縮率の違いで生まれるガラス層のひび割れが貫入で、あえて墨を染み込ませて幾何学模様として楽しむスタイルもあります。
青磁の貫入は割れの一種ですか?
違います。貫入は釉薬の層だけに入るひびで、素地そのものは割れていません。器の強度には影響せず、日本では古くから景色として愛でられてきました。使ううちにお茶が染み込んで線が濃くなるのも、青磁を選ぶ楽しみの一つです。

この記事の器を買う

日本の器をはじめから知りたい方へ。歴史、陶器と磁器の違い、素材、手入れまでを一本にまとめています。→ 日本の器・完全ガイド|はじめての一枚から歴史まで

Shipping fee

京都の倉庫から世界へ。送料は地域ごとの一律。

1,000円

沖縄・北海道は1,600円

30,000円以上で送料無料

その他追加で発生する税金追加費用なし

ありません(表示価格は消費税込み)

上記以外の国・地域はご注文手続き時に送料が自動計算されます。

配送ポリシーを見る

Contact

サービス内容、パートナーシップ、ご注文に関するお問い合わせはお気軽にどうぞ。

お問い合わせ

Newsletter

新着の入荷情報やお得な情報をお届けします。利用規約とプライバシーポリシーをご確認の上、ご登録ください。