お歳暮の器|贈って外さない選び方

お歳暮は、贈る相手が決まっているのに何を贈るかがいちばん決まらない贈り物です。食べ物は好みが分かれ、日用品は好みが出すぎる。
そこで器です。器は「使う人が選ぶ」余地を残したまま渡せます。出番を相手が決められるので、押しつけになりにくい。
この記事では、お歳暮として器を贈るときに外さない選び方を、価格帯・点数・のし・避けるものの4点にしぼってまとめます。
器は割れるので縁起が悪い、と言われることがあります。ただし現在の贈答では、割れものだからという理由で器を避ける習慣はほぼ残っていません。気にされる相手かどうかが分からない場合の扱いは、この記事の後半に書きました。
お歳暮はいつ贈るか
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 時期 | 12月初旬から12月20日ごろまでに届くように |
| 遅れたら | 年明けの「御年賀」、松の内を過ぎたら「寒中御見舞」に名前を変える |
| のし | 紅白の蝶結び、表書きは「御歳暮」 |
| 相場 | 3,000円〜5,000円。目上や特別な相手で10,000円前後 |
器は食品と違って日持ちを気にしなくてよいので、時期の自由度は高いほうです。ただし12月20日を過ぎると相手が帰省や年末の支度に入るため、受け取り自体が負担になります。
価格帯から決める
お歳暮で迷う最大の理由は、先に品物を見てしまうことです。器は1点1,000円から10万円まであるので、見てから決めると際限がありません。
先に金額を決めて、その中で選ぶ。これだけで候補が10分の1になります。
| 予算 | 何が買えるか |
|---|---|
| 3,000円前後 | 作家物の小皿・豆皿を2枚、または飯碗を1客 |
| 5,000円前後 | 作家物のマグカップ1点、または取り皿2枚 |
| 10,000円前後 | 夫婦茶碗、または中皿を2枚、酒器のセット |
| 20,000円以上 | 大皿1枚、花器。相手の家に置き場所があるかを先に考える |
金額を上げるほど良いわけではありません。お歳暮は毎年続く前提の贈り物なので、初回に高すぎるものを贈ると、翌年以降の基準を自分で上げてしまいます。
点数は「偶数を避ける」より「使う場面で決める」
慶事では奇数、と言われます。ただしお歳暮は慶事ではなく、一年の挨拶です。点数の決め手は縁起ではなく、相手の家で何人が使うかです。
- ひとり暮らし 1点。増やすと収納を圧迫します
- 夫婦・二人暮らし 2点。飯碗や湯呑なら対で
- 家族・人数が分からない 2枚または5枚。5枚は日本の食器の基本単位で、来客にも足ります
- 取引先・法人 1点。共有するものではないので、数を増やす意味がありません
「4」だけは避けます。数字そのものより、受け取った側が一瞬考えてしまうことが贈り物としての損です。
お歳暮の器は何を贈ると良いか
1. 取り皿・中皿
いちばん外れません。直径15〜18cmの皿は、和食にも洋食にも、取り分けにも使えます。すでに持っていても枚数が増えて困るものではありません。
選ぶときは白・生成り・染付のどれかにします。料理の色を選ばないためです。
2. マグカップ・湯呑
毎日使うので、贈ったことが相手の記憶に残ります。ただし持ち手の大きさと重さは好みが出ます。相手の手の大きさが分からない場合は、持ち手のない湯呑のほうが無難です。
3. 飯碗
日本の食卓で唯一、手で持って口をつける器です。そのぶん個人のものという性格が強く、贈り物として意味を持ちます。夫婦なら対で。
4. 酒器
相手が飲むと分かっている場合に限ります。飲まない相手に贈ると出番がありません。徳利とぐい呑のセットか、ぐい呑2つ。
避けたほうがよいもの
- 柄が強い器 贈る側の好みがそのまま出ます。相手の食器棚と合わない確率が上がります
- 大きすぎる器 大皿・大鉢は収納場所を取ります。置き場所を知らない相手には贈らないほうが安全です
- 手入れが要る器 無釉の焼締や粉引は、使う前に目止めが要ります。相手に手間を渡すことになります
- セットで割れたら足せないもの 一点物を5枚組で贈ると、1枚割れたときに補充できません
- 刃物・履物 器ではありませんが、同じ贈答の文脈で「縁を切る」「踏みつける」と取られます
割れものを気にされる相手かどうかが分からないときは、贈らないのではなく、一言添えます。「毎日使っていただけたら」と書けば、割れることを前提にした日用品として渡せます。記念品として渡すから割れると困るのであって、使うものとして渡せば角が立ちません。
のしと渡し方
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 表書き | 御歳暮 |
| 水引 | 紅白の蝶結び(何度あってもよい挨拶のため) |
| 名前 | 水引の下に、表書きより少し小さく |
| 郵送のとき | 包装紙の内側に掛ける内のし。配送中に傷みません |
| 喪中のとき | お歳暮は贈ってかまいません。紅白の水引を外し、白無地の奉書紙にします |
器を郵送するときは、割れものであることを送り状に書きます。受け取った側が開けるときの扱いが変わります。
相手別のはやい決め方
- 上司・目上 5,000円前後の取り皿2枚。白か染付。無難であることが価値です
- 実家・義実家 夫婦茶碗、または5枚組の取り皿。人数が読めるので点数で外しません
- 友人 マグカップ1点。相手の好みが分かる相手なので、柄を選ぶ余地があります
- 取引先 1点で、作り手の名前が分かるもの。話題になり、翌年につながります
- 海外の相手 小皿か高台のしっかりした飯碗。割れにくく、梱包が小さくすみます
関連記事・ガイド
贈り物として選ぶ
贈る前に知っておく
Nokaze で扱っている器
贈る一枚を選ぶ
お歳暮は毎年続く挨拶です。だからこそ、作り手の名前が分かる器を贈ると、翌年の話題になります。全国の作家が一点ずつ手で作った器を、産地から直接お届けします。
作家の器を見るこの記事の器を買う
日本の器をはじめから知りたい方へ。歴史、陶器と磁器の違い、素材、手入れまでを一本にまとめています。→ 日本の器・完全ガイド|はじめての一枚から歴史まで