金襴手とは|赤絵の上に金を重ねる、最も豪華な絵付け

金襴手(きんらんで)とは、赤絵などの上絵付けを施した器に、さらに金彩を焼き付けて仕上げる技法です。
名前は織物から来ています。金糸を織り込んだもっとも豪華な絹織物を「金襴」と呼び、その輝きに見立てて名づけられました。中国・明代の景徳鎮に始まり、日本では古伊万里、そして九谷焼や京焼・清水焼の永楽で発展します。
赤と金という、日本でもっとも格の高い取り合わせ。祝いの席の器として、いまも作られ続けています。
窯に三度入る
金襴手の器は、三回焼かれます。
- 1. 本焼き 約1,300℃。素地を焼き締め、透明釉をガラス化させる
- 2. 上絵付け 約800℃。赤・緑・黄などの上絵付けを焼き付ける
- 3. 金彩 約750〜800℃。金だけをさらに低い温度で焼き付ける
なぜ金だけ分けるのか。金は他の絵の具より低い温度で定着し、少しでも高いと飛んでしまうからです。赤が発色する温度では、金が焼け落ちる。だから工程を分けます。三度窯に入るということは、三度割れる可能性があるということでもあります。
焼いた金は、まだ光っていない
窯から出したばかりの金彩は、くすんだ茶色をしています。
ここから瑪瑙(めのう)の棒や砂で磨き上げて、初めて金の輝きが現れます。これを金磨きと呼び、加減次第で鏡のような光沢にも、落ち着いたマットな金にもなります。
手描きかどうかは金の縁で分かります。筆の入りと抜きで線の太さが揺れていれば手描き、線幅が均一なら転写です。
赤絵・色絵・金襴手の違い
| 呼び名 | 主役 | 見え方 |
|---|---|---|
| 赤絵 | 赤の線描と塗り | 細い線が主役。金は使わないか、ごく控えめ |
| 色絵・五彩 | 赤・緑・黄・紫・紺青 | 多色を厚く盛る。光にかざすと飴のように透ける |
| 金襴手 | 赤の地+金の文様 | 器面を赤で埋め、その上に金で描く。金が最後に載る |
金襴手は赤絵の一種であり、その最上位の仕上げにあたります。同じ九谷でも、古九谷が緑と黄で塗り埋める「青手」なのに対し、金襴手は赤と金。まったく逆に振れた豪華さです。
金襴手の器を使う
金彩は釉薬の上に載っているだけなので、扱いに決まりがあります。
- 電子レンジは不可 金は金属です。火花が出て器も傷みます
- 食洗機は避ける 高温高圧と強アルカリの洗剤で退色します
- 金属のカトラリーを滑らせない 金がもっとも摩耗するのはここです
- 研磨剤と漂白剤を使わない 柔らかいスポンジと中性洗剤で手洗いします
逆にいえば、この四つを守れば金は驚くほど長く保ちます。江戸期の古伊万里に金が残っているのは、そう扱われてきたからです。詳しくは和食器の手入れをご覧ください。
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金襴手の器はまだ扱いがありませんが、赤絵や色絵など、釉の上に描かれた器は一点ずつ線の揺らぎも塗りの厚みも違います。Nokazeでは絵付けの器を、描いた作り手とともにご紹介しています。
絵付けの器を見るFAQ
金襴手と赤絵はどう違うのですか?
金襴手の器は電子レンジや食洗機で使えますか?
手描きの金襴手と転写のものは見分けられますか?
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