染錦とは|藍の染付に色を重ねる、有田の華やかな絵付け

藍の染付の上に赤と緑の上絵を重ねた染錦の輪花皿。中央に赤い花文、周囲に窓絵が並ぶ

染錦(そめにしき)とは、藍の染付で文様の骨格を描いた磁器に、さらに赤や緑などの上絵付けを重ねて仕上げる技法です。

「染」は染付、「錦」は錦手(にしきで)、つまり多彩な上絵のこと。二つの言葉がそのまま製法を説明しています。有田焼・伊万里で発展し、いまも磁器の華やかな絵付けの中心にあります。

藍だけでは静かすぎ、色だけでは締まらない。染錦は、その両方を一つの器の上で成立させる仕立てです。

藍が先、色があと

順番は決まっています。まず素焼きした素地に呉須で骨格を描き、透明釉をかけて約1,300℃で本焼きする。ここまでが染付です。

焼き上がった釉の上に、赤・緑・黄・紫などの上絵の具で色を差し、700〜800℃の上絵窯でもう一度焼き付ける。これで染錦になります。

なぜ逆にできないのか。上絵の色は1,300℃では飛んでしまうからです。その高温に耐えるのは藍を出すコバルトだけ。だから藍が先で、色があと。この順番は技法上の必然です。

藍は輪郭、色は面

染錦の器を見るときは、藍がどこを担っているかを見てください。

多くの場合、藍は輪郭線と地の文様を受け持ちます。花や鳥の縁取り、器の周囲を巡る唐草や網目。そこに赤や緑が面として乗る。藍が骨格で、色が肉付けという関係です。

指で撫でると差がはっきり分かります。藍は釉の下にあるので平ら、上絵の色は釉の上に載っているのでわずかに厚みを感じます。

染付・染錦・金襴手の違い

呼び名 使う色 窯に入る回数
染付 藍のみ。釉の下に描く 2回(素焼き+本焼き)
染錦 藍の骨格+釉の上の多色 3回(+上絵窯)
金襴手 赤で埋めた地+金の文様 3回(金だけさらに低温)

色数が増えるほど窯に入る回数が増え、そのぶん割れる機会も増えます。同じ形でも染錦の器が染付より高くなるのは、この手間と歩留まりの差です。

染錦の器を使う

藍の部分は釉に守られているので摩耗しません。気をつけるのは釉の上に載っている色のほうです。

  • 金彩があれば電子レンジは不可 金は金属なので火花が出ます
  • 食洗機は避ける 高温高圧と強アルカリの洗剤で上絵が退色します
  • 研磨剤を使わない 柔らかいスポンジと中性洗剤で手洗いします

逆にいえば、この三つを守れば色は長く保ちます。詳しくは和食器の手入れをご覧ください。

関連記事・用語

関連する用語

くわしく知る

Nokaze で扱っている器

藍と色が重なる器を見る

釉の下の平らな藍と、釉の上でわずかに盛り上がる色。染錦は一点ずつ線の揺らぎが違います。Nokazeでは絵付けの器を、描いた作り手とともにご紹介しています。

絵付けの器を見る

FAQ

染錦と染付はどう違うのですか?
染付は藍だけで、釉の下に描いて一度の本焼きで仕上げます。染錦はその染付の上に、さらに赤や緑などの上絵の具を重ねて700〜800℃でもう一度焼き付けたものです。つまり染錦は染付を含んでいます。指で撫でると、藍の部分は平らで、上絵の色だけがわずかに盛り上がっているのが分かります。
なぜ藍を先に描くのですか?
上絵に使う赤や緑は、本焼きの1,300℃では焼け飛んでしまうからです。その高温に耐えて発色するのは、藍を出すコバルトだけ。だから藍を釉の下に描いて高温で焼き、そのあと低温で色を焼き付けます。順番を逆にすることは技法上できません。
染錦の器は食洗機で洗えますか?
避けてください。釉の下にある藍は摩耗しませんが、釉の上に載っている上絵の色は、高温高圧と強アルカリの洗剤で少しずつ退色します。金彩があるものは電子レンジも不可です。柔らかいスポンジと中性洗剤で手洗いすれば、色は長く保ちます。

この記事の器を買う

日本の器をはじめから知りたい方へ。歴史、陶器と磁器の違い、素材、手入れまでを一本にまとめています。→ 日本の器・完全ガイド|はじめての一枚から歴史まで

Shipping fee

京都の倉庫から世界へ。送料は地域ごとの一律。

1,000円

沖縄・北海道は1,600円

30,000円以上で送料無料

その他追加で発生する税金追加費用なし

ありません(表示価格は消費税込み)

上記以外の国・地域はご注文手続き時に送料が自動計算されます。

配送ポリシーを見る

Contact

サービス内容、パートナーシップ、ご注文に関するお問い合わせはお気軽にどうぞ。

お問い合わせ

Newsletter

新着の入荷情報やお得な情報をお届けします。利用規約とプライバシーポリシーをご確認の上、ご登録ください。