青白磁とは|彫りの溝にだけ青がたまる、白い磁器

花唐草を型で浮き彫りにした青白磁の稜花皿を重ねたところ。縁は花びらのように波打ち、見込みの文様の谷に淡い青がたまっている

青白磁(せいはくじ)とは、白い磁器の素地に、ごくわずかに鉄を含む透明な釉をかけ、青みを帯びた白に焼き上げた磁器です。

平らなところはほとんど白に見えます。ところが、彫った溝や浮き彫りの谷に釉がたまると、そこだけ淡い水色が濃く沈む。白の中に、影のように青が現れる。これが青白磁の見どころです。

名前が似ているため、青磁や白磁と混同されがちです。青磁とは釉の性格が違い、白磁とは釉の色味が違う。この記事では、まずその違いを切り分けてから、青白磁の器の選び方と使い方をまとめます。

素地になる白い磁器そのものについては磁器の記事にまとめています。

青磁・白磁との違い

三つとも「磁」の字がつきますが、見るところは二つだけです。素地は何か、釉に鉄がどれだけ入っているか。

見るところ 白磁 青白磁 青磁
素地 白い磁器 白い磁器 磁器のほか、陶土も
釉の鉄分 できるだけ少なく ごくわずか より多い
釉の厚み 薄く透明 薄く透明 厚くかけることが多い
色 白 白。溝だけ淡い青 全体が青緑

青磁との違いは「釉」

青磁も青白磁も、釉に含まれる鉄が還元の炎で青く発色する、という仕組みは同じです。違うのは量と厚みです。

青磁は、釉そのものに色がある。鉄分の多い釉を厚くかけ、器の全体を青緑に包みます。素地の色を隠すので、鉄分の多い陶土にかけても成り立ちます。

青白磁は、釉がほぼ透明。薄い釉の下から白い素地が透けて見えるので、平らな面は白に見えます。釉が厚くたまったところにだけ、青が見える。白い素地がなければ成り立たない仕立てです。

青緑の釉が全体を厚く覆った青磁の器の表面。細かい貫入が広がり、釉が厚くたまった中央だけ明るい水色に見える

白磁との違いは「白の色味」

白磁と青白磁は、素地はどちらも白い磁器で、ここは同じです。違うのは、その上にかける釉の色味です。

白磁は、釉に含まれる鉄をできるだけ抑え、素地の白をそのまま見せることを目指します。青白磁は、わずかな鉄をあえて残し、白の上に青みを重ねる。同じ白い地でも、青白磁は光の当たり方で冷たく澄んだ白に見えます。

北宋の景徳鎮から

青白磁が完成したのは、中国・北宋時代(10〜12世紀)の景徳鎮とされています。中国では「影青(インチン)」とも呼ばれました。彫った文様の影に青が差す、という名前です。

日本では、1983年に岐阜県の陶芸家塚本快示が「白磁・青白磁」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されています。北宋の白磁・青白磁を手本に、薄く鋭い彫りと澄んだ釉を追い求めた作り手です。

彫りがあって、はじめて青くなる

青白磁の器には、ほとんどの場合凹凸があります。釉がたまる場所がなければ、青は見えないからです。

  • 彫る 刃物で素地に文様を彫り込む。刃を斜めに入れると、溝の深いほうに向かって青が濃くなる
  • 削る 器の面を稜線で区切るように削る。しのぎの溝にも釉がたまる
  • 型で浮かせる 型を使って文様を浮き彫りにする。浮いた文様のまわりの谷に青が沈む
  • 盛り上げる 泥を絞り出して線を描くイッチン。線の両脇に釉がたまる

同じ釉をかけても、溝の深さ・角度で青の濃さが変わる。青白磁は、釉の技術であると同時に、素地を彫る技術でもあります。

Nokazeで扱う青白磁の器

京都の前田麻美氏(トップの写真)は、花唐草の文様を型で浮き彫りにした稜花の皿を、青白磁で仕上げています。縁は花びらのように波打ち、見込みには唐草が輪になって巡る。浮いた文様のまわりに釉がたまり、白の中に文様が影のように浮かびます。

小皿と中皿があり、同じ文様で大きさを揃えられます。取り皿、菓子皿、カップのソーサーにも使えます。前田氏の技法は作家記事で紹介しています。器は前田 麻美のコレクションで見られます。

前田氏は同じ文様の器を灰青釉でも仕上げています。名前に「灰」を冠した色釉で、白の上に淡い青緑が乗ります。灰を使う釉の違いは灰釉の記事にまとめました。

青白磁の器を使う

素地が磁器なので、扱いはいちばん気楽な部類です。

  • 目止めは要らない 水を吸わないので、買ってきたらそのまま洗って使える
  • 染みや匂いが残りにくい 油ものや色の濃い料理にも使える
  • 凹凸は柔らかいスポンジで 文様の溝に汚れが残らないよう、スポンジでなでるように洗う

白い器なので、盛るものを選びません。ただ、文様が見えてこその青白磁です。料理で全面を覆うより、中央に少し盛って、周りの浮き彫りを残すと映えます。和菓子や果物をひとつ置くだけでも、器の青が効きます。

磁器の日々の扱いは和食器の手入れにまとめています。陶器との扱いの違いを先に知りたい方は陶器と磁器の違いをぜひご覧ください

関連記事・用語

白と青の磁器

凹凸をつくる技法

くわしく知る

Nokaze で扱っている器

青白磁の器を見る

浮き彫りの谷にだけ、淡い青がたまる。青白磁の器は、光の向きで文様が現れたり消えたりします。花唐草の稜花皿を、京都の工房から一点ずつお届けします。

前田 麻美の器を見る

FAQ

青白磁と青磁はどう違いますか。
釉の鉄分と厚みが違います。青磁は鉄分の多い釉を厚くかけ、器の全体を青緑に包みます。青白磁は釉がほぼ透明で、白い素地が透けて平らな面は白く見え、彫りの溝に釉がたまったところだけ淡い青が見えます。
青白磁の器に彫りや浮き彫りが多いのはなぜですか。
釉がたまる場所がなければ青が見えないからです。彫る・削る・型で浮かせる・イッチンで盛り上げるなど、素地に凹凸をつくることで、溝の深さや角度に応じて青の濃淡が生まれます。
青白磁の器は普段使いできますか。
磁器なので水を吸わず、目止めも要らないため、買ってきたらそのまま洗って使えます。染みや匂いも残りにくいので油ものも大丈夫です。文様の溝に汚れが残らないよう、柔らかいスポンジでなでるように洗ってください。

この記事の器を買う

日本の器をはじめから知りたい方へ。歴史、陶器と磁器の違い、素材、手入れまでを一本にまとめています。→ 日本の器・完全ガイド|はじめての一枚から歴史まで

Shipping fee

京都の倉庫から世界へ。送料は地域ごとの一律。

1,000円

沖縄・北海道は1,600円

30,000円以上で送料無料

その他追加で発生する税金追加費用なし

ありません(表示価格は消費税込み)

上記以外の国・地域はご注文手続き時に送料が自動計算されます。

配送ポリシーを見る

Contact

サービス内容、パートナーシップ、ご注文に関するお問い合わせはお気軽にどうぞ。

お問い合わせ

Newsletter

新着の入荷情報やお得な情報をお届けします。利用規約とプライバシーポリシーをご確認の上、ご登録ください。